2011年3月11日に起こった東日本大震災。 震災復興に様々な取り組みが行われていますが ここでもTOC理論が大いに活用できると感じています。 特に初期の支援物資の流通や在庫の方法などは 全体を見る視点一つでどれだけの命が救えるか?と考えると、 TOC理論の普及に使命感を感じる程です。 ここでは岩手県釜石で被災したネットショップの支援活動に TOC理論と業務フローが大いに役立った事例をご紹介します。 地震後の津波で不幸にも女性店長が亡くなられたショップさん。 私は1週間前にこの店長さんと大阪でお会いしていたので 本当に信じられない気持ちが今でもなくなりません。 残された旦那様はこのネットショップのバックヤードを 担当していましたが、大きな悲しみを乗り越えて ショップを再興する決意を固めました。 このお手伝いこそ我々ができる支援、と考え 私と2名のネットショップ専門家が4月28日〜30日の 3日間の予定で「ショップ再オープン」を目標に岩手を訪問しました。 ここで最初の最初に行なったのが、会社全体の業務フローを書き出し ボトルネックを特定するということです。 いわて花巻空港に到着するとすぐに飛び込んだのがホームセンター。 業務フロー作成の模造紙と付箋、マジックをまず買い込みます。 支援者は精鋭の専門家ですが、専門的な改善事項が先行すると 「部分最適」に陥ってしまい、ザ・ゴールであるショップの再開が 3日間の時間内でできない可能性があります。 ここではまず全部の業務を大雑把に書きだして どこを支援したらいいのか? = ボトルネックはどこか?を 全員がしっかり把握する。出来上がった業務フローがこれです。 左ができて初めて右ができる。上ができて初めて下ができる。 このように業務の従属性を大雑把に整理します。 一見してフローの矢印が集まる場所が2ヶ所ありました。 まずは仕入れのルート。3つあるうちの一番長いルートが オリジナル商品の制作入荷のフローで、実は重要な商品。 しかし部品の仕入先5社を店長さんが担当していたので 連絡先がわからない。 商品がないと後ろの業務は全く意味が無い!ということで 4月28日ゴールデンウィーク前の平日、電話をかけまくって 何とか商品ルートを通すことができました。 次に大きなボトルネックが販売の上から2番目、 明らかに細くなっている場所があります。 これは作ったウェブコンテンツを ネット販売のシステムに掲載するという業務。 これも亡くなった店長さんが行なっていました。 1日目はフローの制作と商品ルートの確保に費やしましたので 2日目の作業は決まりました。この販売システム掲載方法の研修と コンテンツ制作支援に全精力を傾けることです。 2日目は全体を見る役目の私は、作業としてはほぼ何もなし。 ここでは余計なことをしないで横で再開後の計画に入ります。 研修・作業は2名の精鋭専門家が素晴らしい勢いで行い、 どんどんウェブページが変わっていって午後3時頃には 商品をアップして注文が入り始めました。 2日目にして支援完了。十分自分の足で立って頂くだけの 基礎は出来上がりました。 3日目は予定があいたので、被災地に入ることにし [...]
Archive for 11月, 2011
その問題は解決しないと決める:部分最適より全体最適
あるネットショップさんが変な在庫切れを起こしていました。 「10個在庫がある。20個注文が来た。 10個その方のために取置きをして10個メーカーに発注。 その間に5個の別の注文が来た。 10個は倉庫の中にあるのに、売約済なので出せない。。。」 商品が目の前にあるというのに売れないという機会損失。 さらに ・売れ筋が20商品あり、それぞれでこの問題が起こるので 繁忙期はワケがわからなくなる ・取り置き管理がシステム的に非常に難しい ・ウェブでは在庫切れ表示になるのでかなり売り逃す ・お客様が納期を遅くして倉庫代わりにされることがある ・メーカーさんは納期をはっきり言わない といういろんな症状がこのショップを悩ましていました。 あなたならどうしますか? 当初、この会社は入荷と在庫、取置きの管理システムを 詳細に作り込むことで、つまりTOCで言う部分最適で 「何とか」乗り切ろうと考えていました。 しかし、相談の結果「これらの問題自体には対処しない」 ということを意思決定しました。 まずやったことは、これらの症状を全て書き出すこと。 そしてこれらの症状が起こっているそもそもの根本原因は何か? ということをショップ全体を見て一緒に考えた時に 「そもそもスループット(MQ、粗利益)を稼ぐ 商品の必要在庫が足りないこと」 に行き着きました。 だから、売り逃がしや取り置きが起こり そのためのシステム開発も膨大な時間とお金をかけて しなくてはいいけなくなる。その根本原因を無くせば良い。 それによって、ショップの意識が 「去年よりもっと厚い在庫を、先手先手でメーカー発注する」 ことに集中しました。 売れ筋商品を(今までのこの会社に比べて) 思い切って発注する。 そのための準備、ここが重要。 売れない商品を全部在庫無しにして取り寄せ扱いにし 自由に使えるキャッシュを増やす。 結果は信じられないくらい楽に業績アップ。担当者いわく 「過去最高利益、そしてあまりに時間があるので この利益は計算間違いなのではないかと戸惑っています。」 ということになりました。 問題がたくさん発生している時に、何よりも全体を見る。 「それを自体を解決しない」という意思決定をすることが 現場でのTOC活用においては劇的に効果があることを 実感した事例です。 2011年12月17日〜18日 清水信博先生のTOC名古屋公開セミナーのご案内はこちら 2012年2月 西順一郎先生の高知MGセミナーのご案内はこちら
あの忙しい日々は何だった
本日もTOC講座での学びを実践したネットショップさんから 嬉しいご報告がありました(^-^) この方は、既製品とオーダー品を両方販売されている、 11月の今が一番忙しいショップさんです。 TOCの1日コース(10時〜20時)を受講、 4ゲームのシミュレーションを体験。 「ドラム・バッファ・ロープ」の威力で利益が飛躍的に伸びることを実感。 特に「最前列にバッファを持つ」=「お客様の前に常に売れ筋商品を持つ」 ことを強く心がけました。 これから年末商戦を控える他のTOC実践者の結果が楽しみです。 —— 「久しぶりの書き込み(報告)です。ただいま1年のうちの最繁忙期です。 売れるものをお客様の目の前に積む!ということで、 今年は売れ筋商品をとにかく切らさないことを必死で心がけています。 売れ筋を、繁忙期前にたくさん積んでおく、 というのは毎年やっていたことですが、 今年はこの講座(TOC)を受けたことで さらに売れ筋の在庫を厚くして 早め早めに倉庫に組立依頼を送っておいたところ、 なんと、最繁忙期なのに5時半に仕事が終わってしまうんです。 それどころか、日中もやることがなくなってしまって いつもバイトを雇ってやっていた、細かいオーダー品の組立作業も 十分私たちで人手が足りてしまっています。 それも今まで貯めてやっていたのを、 こまめに毎日少しずつやることで納期も1週間~2週間早められました。 今まで売れるものも細かくわけて発注しすぎていたので 無駄な発注作業がすごく多かったし 在庫切れもしょっちゅう発生していたということがわかりました。 利益は、去年11月が歴代最高だったのですが それを更新もしくは同等の勢いで推移しています。 あの忙しい日々は一体なんだったんでしょうか。 あまりに時間があるのでこの利益は 計算間違いなのではないかと戸惑っています。」 —— 余計な特急仕事減:残業時間、残業費減 バイトを雇わずに済む:固定費減 品切れがない:売上・利益アップ キャッシュが増えて、時間が増える。素晴らしい成果です。 引き続き繁忙期が過ぎても進化し続けて欲しいものです。 2011年12月17日〜18日 清水信博先生のTOC名古屋公開セミナーのご案内はこちら 2012年2月 西順一郎先生の高知MGセミナーのご案内はこちら
TOCで即効果を出すには 〜 TOC・MQ会計との出会い
私がTOCを学ぶきっかけは、創世記から見てきたネットショップ業界が そろそろ踊り場に差し掛かってきた2010年、 これからはネットショップにも科学的な経営理論が必要だと感じて 西研究所のMG(MQ戦略ゲーム)研修に集中的に通っていたことから 始まります。 MGの開発者である西順一郎先生を始め、全国のMGの期数を積んだ 優れたビジネスマンから「次はTOCがあるよ」と聞かされていました。 先に学んだ人が良いと言う事はまずやってみる。 MGの大ベテランであり、西先生から依頼されてTOC理論をゲーム化した ソフトパワー研究所・清水信博先生の新潟TOC研修に 2010年の6月に初めて参加しました。 TOCゲーム5年分のシミュレーションと決算をやってみるセミナーで 「これまで常識と思ってきたことがことごとく覆される」 現象を体験して、これは深く突き詰める必要がある!と直感しました。 その場で清水先生に交渉し、自分が学ぶためにも 2011年1月の神戸TOCセミナーを弊社が主催することを決定。 ここでのセミナーで弊社ネットショップ勉強会OSMCの会員様が すぐに成果を出したことで、その効力を確信しました。 私が本格的にTOCを創り上げたエリヤフ・ゴールドラット博士の著書 「ザ・ゴール」などを本格的に読み始めたのはそれからのことです。 ・人はもともと善良である ・物事はそもそもシンプルである ・あらゆる対立・矛盾にも、妥協のない解決策は存在する などの確固たる思想に基づいた理論に深く感銘すると共に あることに気づき始めました。 なるほどTOCは今の時代とても成果を発揮するだろうし、 ザ・ゴールは皆「良い本」と言うが ではどう良いかと言うと「わかったようなわからないような」。 それを実践するとなるとなかなか社内で手が出ない。 実践が進まない2つの理由を私はこう考えました。 ・TOCでよく出てくる「スループット」が身についていない。 TOCは知っていても、スループット会計というのを 理解している人は稀である。 ・シミュレーションで具体的に在庫が溜まったり納期が遅れたり お金がないという状態を改善した体験していないので、 想像の世界を出ず、実践が怖い。 幸いにして、私はこれを2人の師匠のお陰で 難なく乗り切ることができました。 ・スループット会計の概念については、MGで採り入れられている 西順一郎先生が発明した「MQ会計」がそのまま置き換えて使える。 MQ会計はまさに「コストワールド」から「スループットワールド」 (つまりMQワールド)に切り替える経営のための会計であり それをMGを通じて体得させてもらっている。 ・清水信博先生がMQ会計とドッキングして開発したTOCゲームで 数字的に決算が劇的に改善することを最初に体験してから 書籍を読んだお陰で、明快に理解できて素早く実践につなげ、 短期で実際に成果を上げることができた。 TOCでは1年や2年ではなく1週間や2週間という驚くべき短期で 成果が見え始めます。このブログでは、その成果事例や理論の 考察などを書き記して行きたいと思います。 そして西先生・清水先生から受け継いだTOCセミナーで より多くのネットビジネスを劇的に改革して行きます。 よろしくお願いします。 2011年11月9日 株式会社こきょう 森本繁生 [...]
